ふらの東山エリアフォトコンテスト2022 第6回
グランプリ・準グランプリ作品
この作品は青エンドウの収穫作業を捉えたものです。
講評でも書きましたが、東山エリアの風物詩、棒積みに囲まれた畑の中で収穫している瞬間を切りとっています。
やや望遠系のレンズを使い、手前の棒積みと背景の棒積みを圧縮効果で上手く画面に収めています。
野焼きの煙が立ち上っているのも風情があって良いですね。(野焼きは原則禁止ですが、農業従事者が農作業上必要な場合は例外となっています。)
作業している人の顔が隠れていますが、もう少し表情が見えても良かったと思います。
東山エリアの棒積みは、残念ながら近年かなり減ってきています。
しかし、写真は記録するという意味合いからも、重要な手段です。
万が一棒積みがなくなったとしても、このような形で残るというのは、貴重な資料にもなってくると思われます。
この作品は文字通り冠雪した富良野岳と紅葉したカラマツや樹林を捉えています。
端正な画面構成で、秋と冬が同居する北海道の季節感を上手く捉えました。
この時期は寒気が入ってくるので、ここまで山々がくっきりと見える事は少ないと思われます。
西日でしょうか、画面全体がややマゼンタがかっている色合いも、もの悲しいこの時期ならではの雰囲気が伝わってきます。
東山エリアの残雪の芦別岳と丘のある風景は、まるで外国にいるような趣があると思っていますが、その残雪の芦別岳と満開のこぶしを取り込んだストレートな作品です。
こぶしの花は少しでも時機を失すると、花びらの一部が茶色になって写真写りが悪くなってしまいがちですが、この作品はベストタイミングで撮られています。
芽吹き始めた木々や、道端のタンポポなどを何気なく取り入れて、更に季節感を演出しているのも良いと思います。
また違った表現として、朝日や夕日に照らされた作品などを狙われたら、更にフォトジェニックな作品を作れると思います。
ふらの東山エリアフォトコンテスト2022総評
今回で第6回目となる東山エリアフォトコンテストの審査会が終わりました。
エリア限定のフォトコンテストとして、このように続けていくというのは並大抵のものではありません。
コンテスト開催における意気込み、更にこのエリアへの地域愛などを強く感じ、主催者、また関係者の皆様のご努力に敬意を表したいと思います。
審査結果ですが、前回よりは少ないエントリー数となりましたが、その分、見応えのある作品が多かったように思います。
その中でも特に、学生部門での作品の良さが目を見張りました。
今の子供達はカメラ付きのモバイルPCなどで授業を受けることが多いので、カメラ自体が身近なものなのでしょうね。
今後の作品作りに期待したいと思います。
一般部門では佐々木 郁太郎さんの「喜びの収穫の時」がグランプリとなりました。
この作品は青エンドウの収穫作業を捉えたものです。
東山エリアの風物詩、棒積みに囲まれた畑の中で収穫している瞬間を切りとり作品化しました。
やや望遠系のレンズを使い、手前の棒積みと背景の棒積みを圧縮効果で上手く画面に収めています。
野焼きの煙が立ち上っているのも風情があって良いですね。
準グランプリ作品、堀 郁紀子さんの「冠雪と紅葉」は、文字通り冠雪した富良野岳と紅葉したカラマツ林や樹林を捉えています。
端正な画面構成で、秋と冬が同居する北海道の季節感を上手く捉えました。
同じく準グランプリ作品は、天野 留美子さんの「こぶしと残雪」です。
残雪の芦別岳と満開のこぶしの花を、ストレートに捉えた作品です。
こぶしの他に芽吹き始めた木々や、道端のタンポポなどを何気なく取り入れて、更に季節感を演出しています。
その他、入賞された皆さんの作品も力作揃いでした。
全体的には四季の作品が寄せられるようになっていますし、だいぶ東山エリアの魅力が写真という方法で具現化されているイメージです。
何処の地でもそうですが、たまたま出かけたら良い条件に出会って撮れた、ということもありますが、やはり幾度となく通って地形などを覚えることが大切です。
そこで初めて自分なりの表現ができるようになるのではないでしょうか。
次回は7回目となりますが、更に東山エリアの特徴ある作品を期待したいと思います。
最後に、前述しておりますが、主催者と関係者の皆様のご努力に敬意を表しますと共に、受賞者の皆様にお祝いを申し上げます。
2022年11月27日
「富良野市東山エリアフォトコンテスト」審査員代表
写真家 菊地 晴夫