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ふらの東山エリアフォトコンテスト2024 第8回
グランプリ・準グランプリ作品

この作品は、夕暮れの温かな光に包まれた農作業の風景と、親子の愛情が見事に表現されています。
玉ねぎの収穫の様子とともに、父親と思われる人物が子供を高く抱き上げている姿は、自然と人との結びつきや、親子の絆を象徴的に表現しています。
特に、夕日の位置を計算したかのように人物の間に配置することで、シルエット効果が際立ち、印象的なシーンが生まれています。また、周囲の玉ねぎや畑の土といった要素が生活感と地域性を強調しており、観る者に温かさや懐かしさを感じさせます。
この写真は、自然の中での家族の瞬間を巧みに切り取った、心に残る作品だと思います。


珍しい自然現象である「白虹」と、収穫後の豆ニオが並ぶ田園風景を巧みに捉えています。
白虹が柔らかなアーチを描く中、青いシートに覆われた豆ニオが規則的に配置され、広がる畑の静けさと幻想的な雰囲気が強調されています。
淡い朝霧に包まれた風景は、この地域特有の美しい瞬間を引き出しており、自然の力強さと繊細さを同時に表現しています。
また、自然と人々の暮らしが調和する瞬間を切り取り、観る者に感動を与える一枚と言えます。


この作品は、夜空の美しい星景と地上の建物や木々を魚眼レンズで大胆に切り取った写真です。
星空が広がる大きな空間と、それに対する地上の広がりが見事に対比されており、観る者に深い印象を与えます。
魚眼レンズの効果により、星空の広がりが強調され、宇宙の広大さと地上の風景との一体感が感じられます。また、建物と樹木が夜空の下で静かに佇んでいる様子が、夜の静寂と神秘的な雰囲気を引き立てています。
星の光と地上の人工的な光源がバランスよく配置され、場面に奥行きと立体感を与えている優れた作品です。

ふらの東山エリアフォトコンテスト2024総評

第8回目となる東山エリアフォトコンテストの審査会が終了しました。
今回のフォトコンテストにおける入賞作品は、いずれも東山エリアの自然と人々の暮らしの魅力を、独自の視点で見事に表現しています。
それぞれの作品が異なる視点と技法を用いながらも、共通して感じられるのは、地域に根差した生活の一瞬を大切に捉える視点と、自然の美しさと力強さを際立たせる構成力です。
グランプリ作品では、収穫の夕暮れという日常の一コマを、親子の温かな交流とともに捉えることで、見る者に親しみやすさと郷愁を呼び起こします。
準グランプリ作品の星景や白虹の写真は、自然現象の美しさを印象的に収め、地域の神秘的な魅力と空間の広がりを感じさせます。
総じて、今回の上位入賞作品は「自然と人の共存」をテーマに、生活の息吹と地域の風土を巧みに映し出した作品が評価されたと言えるでしょう。これらの作品は、単に風景や自然現象を捉えるだけでなく、その土地に生きる人々の営みをも伝えるものであり、東山エリアの豊かさと美しさを多角的に表現していると思います。
入賞された皆様、大変おめでとうございました。
2024年11月17日
「富良野市東山エリアフォトコンテスト」審査員代表
写真家 菊地 晴夫

ふらの東山エリアフォトコンテスト2024 第8回作品
入選作品

入 選
我妻  智幸「冬の妖精」

東山エリアでは珍しいサンピラー現象を捉えた一枚です。
太陽の光が雪原にまっすぐな光柱を描き出し、静寂な冬の風景に幻想的な雰囲気を加えています。光と影のコントラストが印象的で、雪原に映る長い影が広がり、画面全体に立体感を生み出しています。


入 選
斉藤 綾「ニオに見守られて」

豆ニオの存在感がしっかりと強調され、地域の日常の風景が温かく伝わってきます。
青いシートが鮮やかに映える中、背景の緑豊かな田畑と畑を耕すトラクターが、活気ある農業の光景を引き立てています。いつまでも残したい風景です。


入 選
斉藤 都「ニオと背くらべ」

豆ニオと背比べをする子供たちの姿を捉えた、遊び心にあふれた一枚です。
空は澄んだ青空が広がり、明るく晴れやかな風景が印象的で、自然の中での無邪気な瞬間がとても微笑ましく感じられます。


入 選
堀 郁紀子「雪とヤドリギ」

しんしんと降る雪に包まれた風景を繊細に捉えた一枚です。
ハイキー調の表現が、雪の舞う様子と樹木に寄生するヤドリギの存在感を優しく引き立てています。画面全体に漂う白い世界が、静寂な雰囲気を生み出し、自然の中の一瞬の美しさが上品に表現されています。


入 選
齋藤 未織「霧の西達布川」

冬の厳しさと美しさが共存する西達布川を捉えています。
冷え込む空気の中、川面から立ち上る霧が幻想的な雰囲気を演出し、凍てつく風景に生命感を与えています。周囲の木々は白く霧氷に覆われ、背景にそびえる雪山と青空が鮮烈なコントラストを生み出しています。


入 選
高山  裕二「みんなこっちを向いてよ」

多数のひまわりが同じ方向を向いている中で、異なる向きの2本が視線を引きつけ、作品に遊び心を与えています。
広大な畑が生み出す圧倒的なスケール感と、青空に映える鮮やかな黄色の対比が爽やかで目を引きます。


入 選(学生)
鎌田  芽衣「踏み出す一歩」

昆虫の世界を身近に捉えたユニークな視点が印象的です。
地面の低い位置から撮影することで、昆虫が大地に踏み出していく瞬間を、迫力ある構図で表現しています。背景の空と手前の地面の質感が相まって、昆虫が広い世界に挑むような物語性を感じさせます。