ふらの東山エリアフォトコンテスト2023 第7回
グランプリ・準グランプリ作品
審査後にわかったことですが、佐々木郁太郎さんは昨年もグランプリを受賞されています。
流石としか言いようがありません。
この作品は一次審査の時から目を引く作品でした。
一同に並べた夏や秋のコントラストの高い作品の中に、一際柔らかな色調で統一されたこの「冬桜」は、ある意味真逆の効果もあり特筆しておりました。
一面霧氷を纏った樹林をメインに、背景には芦別岳の山並みが連なっています。
そこに朝焼けでしょうか、決して派手ではないのですが雪雲を薄紅色に染め上げています。
これほど霧氷が付く日も珍しいのではないでしょうか。
運も実力のうちと良く申しますが、まさしくそれをも味方にした素晴らしい作品だと思います。
雪原の上に一本の木を配置しただけの、実にシンプルな作品です。
これだけでも絵になる構図ですが、更に天の川を捉えています。
天の川が真横に見える季節は限られると思いますし、内陸部に位置する東山エリアでは晴れる日も少ないと思います。
このような悪条件でも緻密に計算して撮られていると思いました。
モノクロ風に扱っているのも良いですね。
新鮮味のある作品です。
斉藤詩織さんも積極的に撮影されているお一人です。
タイミング良く牧草ロール造りの真っ最中に出会いました。
牧草ロールや麦稈ロールの撮影は、意外に取り込み方が中途半端になりがちですが、画面に上手く収めています。
欲をいうとやや空が多い気がします。
アングルをやや下げて、綿雲の上部で切り取るともっと画面が締まってくると思います。
ふらの東山エリアフォトコンテスト2023総評
第7回目となる東山エリアフォトコンテストの審査会が終了しました。
今回はコロナ禍明けのコンテストとなりましたが、前回よりも少ないエントリー数となってしまったのは非常に残念に思っています。
但し、少なかったとはいえ、かなり見応えのある作品が多かったように思います。
中でもプリントの仕上げに力を入れているエントリー者が多いのには喜ばしい思いがしました。
近年は家庭用のプリンターの性能が上がっているので、自家処理して応募するというのが主流ですが、あえてラボに依頼してエントリーされている方が多く目に付きました。
プリントでの応募という場合は、いくら良い作品を撮ったとしても最終的にはプリントの仕上げで審査します。
もう少しプリントでしっかり色が出ていたらという作品も多々ありました。
ですので、これぞという作品はラボなど、専門の業者で出力してもらうというのもこのようなコンテストでは必要になってきます。
また、グランプリの作品にあるように、冬の季節を始め四季の作品が多く寄せられるようになってきました。
だいぶ東山エリアも認知され始め、四季を通じて撮影を楽しまれているようで、関係者一同大変嬉しく思っております。
次回は8回目となりますが、更に東山エリアの特徴ある作品を期待したいと思います。
最後に、主催者と関係者の皆様のご努力に敬意を表しますと共に、受賞者の皆様にお祝いを申し上げます。
おめでとうございました。
2023年11月25日
「富良野市東山エリアフォトコンテスト」審査員代表
写真家 菊地 晴夫